ごあいさつ
本年度は倉敷支援学校創立60周年となる節目の年となります。昭和39年5月1日に、中国地方で最初の知的障害の養護学校として倉敷市加須山に開設しました。開設当時の児童生徒数は48名で、小学部3クラス、中学部3クラス、教員数は9名でした。現在の倉敷市粒浦に移転したのが昭和50年で、移転した年の5月1日に高等部の入学式が行われました。現在では、小学部104名、中学部64名、高等部99名、全校で267名、教職員数は150名を超える大きな学校になりました。
先日、創立60周年の開校記念行事として、岡山県警察音楽隊の皆さんをお招きして音楽会を開催しました。迫力ある音楽に一生懸命に耳を傾けている子どもたちの姿から、本校が担ってきた教育活動の重さと、開校以来、保護者の皆様をはじめ、地域の方々のご理解とご支援のありがたさを改めて感じました。60年間という長い期間本校が平穏に学校教育活動を行うことができていることに感謝するとともに、この歴史を70年、80年と積み上げていかなくてはいけないという思いを強くいたしました。
さて、本校の校舎の壁面には、太陽に向かって手を差し伸べる絵が描かれています。私は、出勤してこの絵を見るたびに「今日もよい1日でありますように」と心の中で祈っています。この絵をもとに、創立50周年を記念して元本校職員であった関山先生によって校歌が作詞作曲されたと聞いています。その校歌の最初の歌詞は「手をのばせ太陽に届くまで明るい日差し浴び伸びていく」です。この歌詞には「のびる」と「伸びる」の同じ言葉がひらがなと漢字で表されています。この言葉の意味を辞書で調べると、「空間的に広がる」「時間が長くなる」「心理的にゆるむ(くつろぐ)」「財産が豊かになる」など様々な意味が載っています。校歌は学校の夢を言葉にしたもので、学校全体に一体感をもたらすものだと思います。私たち教職員もこの校歌をいつまでも大切にして子どもたちとともに「のびる学校」としてこれからも歩んでいきたいと思っています。
今年度も、地域とつながる活動として、近隣の学校との学校間交流や、それぞれの児童生徒の居住地校との交流(『交流籍』の実施)、地域の施設や学校園への花のプランター贈呈や地域での販売学習・実習等を行う予定です。家庭や地域との連携を一層進め、開かれた学校づくりを行うことで、児童生徒に自立と社会参加の土台となる力や地域の一員として生活する力を養いたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
倉敷市立倉敷支援学校 校長 山田 由美